政府の「電気・ガス料金支援」は2026年9月使用分をもって終了予定です。現在は低圧家庭向けで4.5円/kWhの割引が続いていますが、10月以降は値引きがなくなるうえ、2026年度から再エネ賦課金が4.18円/kWhに引き上げられたため、秋以降の電気代は一気に跳ね上がります。補助が続く今のうちに、料金プランや電気の使い方を見直しておかないと、10月の請求で「なぜこんなに高い?」と驚くことになります。この記事では、補助終了前にやるべき固定費の見直しポイントと、具体的な節電チェックリストを時系列でまとめました。
電気代補助の終了スケジュールと影響額
まず押さえておくべきは、補助終了の正確なタイミングと、それが請求にどう反映されるかです。補助は「使用月」ベースで適用されるため、検針日と請求月のずれに注意が必要です。
補助の適用期間と請求への反映
政府の電気・ガス料金支援は2026年7〜9月使用分が対象で、検針は8〜11月に行われます。つまり、9月中に使った電気は10月や11月の請求に含まれ、そこまでは補助が適用されます。逆に言えば、10月以降に使った電気からは補助がなくなり、11月〜12月の請求から値引きが消えます。検針日は契約ごとに異なるため、自分の検針日を確認しておくと「いつまで補助があるか」が正確にわかります。
補助額と終了後の負担増
2026年8月使用分の割引単価は低圧家庭向けで4.5円/kWhです。月400kWh使う家庭なら、補助だけで1,800円の値引きになります。これが10月使用分(11月〜12月請求)からゼロになります。さらに、2026年度から再エネ賦課金が4.18円/kWhに引き上げられているため、同じ使用量でも400kWh×4.18円=1,672円が上乗せされます。補助消失と賦課金増を合わせると、月3,500円近く請求が上がる計算です。補助が続く今のうちに、この負担増を吸収できる体制を作っておく必要があります。
| 項目 | 補助期間中(〜9月使用分) | 補助終了後(10月使用分〜) | 差額 |
|---|---|---|---|
| 補助額(400kWh/月) | -1,800円 | 0円 | +1,800円 |
| 再エネ賦課金(400kWh/月) | 1,672円 | 1,672円 | ±0円 |
| 合計影響 | — | — | +1,800円/月 |
※再エネ賦課金は2026年度から既に引き上げ済みのため、補助終了後も変わりません。影響が大きいのは補助の消失分です。
補助終了前にやるべき固定費見直しチェックリスト
補助が続く今のうちに、電気代の固定費を下げる手を打っておけば、10月以降の負担増を相殺できます。以下の項目を9月末までに実行しましょう。
1. 料金プランの見直し(目標削減額:月500〜1,000円)
現在の契約が数年前のままなら、プラン変更で基本料金や単価を下げられる可能性があります。特に以下のケースは見直し必須です。
- 従量電灯プランのまま:新電力や大手の市場連動型プラン、時間帯別プランに切り替えると、使用パターン次第で10〜20%削減できます。
- オール電化なのに時間帯別プランでない:深夜料金が安いプランに変更すると、エコキュートや蓄熱暖房の運転コストが半減します。
- 契約容量が過大:ブレーカーが落ちたことがなく、月の最大使用電力が契約容量の60%以下なら、契約を1段階下げても問題ありません。基本料金が月300〜500円下がります。
プラン変更は申し込みから適用まで1〜2ヶ月かかるため、9月中に手続きを済ませれば10月使用分から新料金が適用されます。電気代の平均はいくら?世帯人数別・地域別データで見る2024年最新版で自分の使用量が平均と比べてどうかを確認し、プラン選択の参考にしてください。
2. 古い家電の買い替え判断(目標削減額:月1,000〜2,000円)
10年以上使っている家電は、最新機種に買い替えるだけで電気代が30〜50%下がります。特に以下の3機種は優先度が高いです。
- 冷蔵庫:10年前の400L機種は年間消費電力500kWh前後ですが、最新機種は250kWh程度。差額250kWh×30円/kWh=年7,500円、月600円の削減です。
- エアコン:10年前の10畳用エアコン(2.8kW)は期間消費電力量900kWh前後ですが、最新省エネ機種は600kWh程度。夏冬合わせて年9,000円、月平均750円の削減です。
- 照明:白熱電球や蛍光灯が残っている部屋は、LED電球に交換すると消費電力が1/5〜1/10になります。リビングと寝室だけでも月300〜500円削減できます。
買い替えには初期費用がかかりますが、補助終了後の電気代上昇を考えると、2〜3年で元が取れます。古い家電の買い替えで電気代はいくら下がる?実測データで検証した節約効果で具体的な削減額を確認できます。
3. 待機電力の削減(目標削減額:月300〜500円)
家庭の待機電力は平均で月の電気代の5〜10%を占めます。400kWhで電気代1万円の家庭なら、500〜1,000円が待機電力です。以下の対策で半分以下に削減できます。
- 使わない機器はコンセントから抜く:テレビ、レコーダー、ゲーム機、Wi-Fiルーター(夜間)などは使用時だけ通電させます。
- スマートプラグで自動化:タイマー機能付きのスマートプラグを使えば、指定時刻に自動で電源オフできます。Wi-Fiルーターを深夜2〜6時だけオフにするだけで月100円程度削減できます。スマートプラグで節電|電気の見える化から始めるで導入手順を解説しています。
- 電源タップの個別スイッチを活用:個別スイッチ付きタップなら、使わない機器だけをオフにできます。パソコン周辺機器やキッチン家電に有効です。
4. 基本料金ゼロプランへの切り替え検討(目標削減額:月500〜1,000円)
新電力の一部は基本料金ゼロ・従量料金単価制のプランを提供しています。使用量が少ない家庭(月200kWh以下)や、使用量の変動が大きい家庭は、基本料金ゼロプランに切り替えると固定費が減ります。ただし、従量単価が従来プランより高めに設定されているため、月300kWh以上使う家庭では逆に高くつく場合があります。シミュレーションサイトで必ず試算してから切り替えましょう。
9月末までに実行する節電行動チェックリスト
固定費の見直しと並行して、日々の節電行動も習慣化しておけば、補助終了後も電気代を低く抑えられます。以下のチェックリストを9月末までに実行し、10月からの「新しい電気代」に備えましょう。
エアコン編(目標削減:月500〜800円)
- 設定温度を1℃上げる:冷房28℃→29℃で消費電力が約10%減ります。月300円程度の削減です。
- フィルター清掃:2週間に1回掃除すると、風量が回復して効率が5〜10%改善します。
- 扇風機・サーキュレーター併用:エアコン単独より体感温度が2℃下がり、設定温度を上げられます。扇風機の消費電力は30W程度なので、エアコンを弱運転にできれば差し引きでも得です。
- 室外機の周囲を整理:直射日光が当たる場合はすだれで遮光し、周囲20cm以内に物を置かないようにします。排熱効率が上がり、消費電力が5%程度減ります。
冷蔵庫編(目標削減:月200〜300円)
- 設定温度を「中」に下げる:「強」のままだと必要以上に冷やしています。「中」で十分冷えるなら月200円削減できます。
- 詰め込みすぎない:冷気の循環が悪くなり、余計な電力を消費します。容量の70%以下を目安にします。
- 扉の開閉回数を減らす:1回10秒の開閉を10回減らすと、月100円程度削減できます。必要なものをメモしてから開ける習慣をつけましょう。
- 背面の埃を掃除:放熱板に埃が溜まると冷却効率が落ちます。年2回の掃除で5%程度効率が改善します。
照明・家電編(目標削減:月300〜500円)
- 使わない部屋の照明は消す:当たり前ですが、リビングを出る際の消し忘れが多いです。人感センサー付き電球に交換すると自動化できます。
- テレビの明るさを下げる:出荷時設定は明るすぎます。「標準」や「省エネ」モードに変更すると消費電力が20〜30%減ります。
- 温水洗浄便座の設定を見直す:便座と温水の温度を「低」にし、夏場は便座ヒーターをオフにします。月200円程度削減できます。
- 電気ポットをやめる:保温機能は24時間で30円程度かかります。必要な時だけ電気ケトルで沸かす方が月600円安くなります。
給湯・洗濯編(目標削減:月400〜600円)
- シャワーの時間を1分短縮:4人家族なら月の給湯電力が10kWh減り、300円削減できます。
- 洗濯はまとめ洗い:毎日1回より2日に1回にすると、洗濯機の消費電力が半減します。乾燥機能は使わず自然乾燥にすれば、さらに月500円削減できます。
- 食器洗いは低温モード:食洗機の設定を「標準」→「低温」にすると、ヒーターの電力が減ります。予洗いをしっかりすれば低温でも十分です。
10月以降も電気代を抑える長期対策
補助終了後も電気代を低く保つには、固定費削減と節電行動の習慣化に加えて、以下の長期対策を検討しましょう。
ポータブル電源+ソーラーパネルの導入
ベランダや庭に100W程度のソーラーパネルを設置し、ポータブル電源に充電すれば、日中発電した電気をスマホ充電やLED照明、扇風機などに使えます。月の発電量は15〜20kWh程度(日照条件により変動)で、電気代にして450〜600円分の節約です。初期費用5〜8万円ですが、電気代上昇が続くなら3〜5年で元が取れます。ポータブル電源の電気代計算|月の充電コストはいくら?で充電コストと節約額を詳しく解説しています。
蓄電池DR補助金の活用
家庭用蓄電池を導入し、電力需給調整(デマンドレスポンス)に参加すると、国の補助金が最大60万円受けられます。蓄電池本体の価格は100万円前後ですが、補助金と電気代削減を合わせると、10年程度で投資回収できます。ただし、補助金は予算枠が埋まり次第終了するため、早期申請が必要です。家庭用蓄電池DR補助金2026年度版|最大60万円・早期終了前に申請の流れを確認するで申請手順を確認できます。
電力会社の乗り換えシミュレーション
料金プランの見直しと同時に、電力会社そのものを乗り換えると、さらに削減できる場合があります。エネチェンジや価格.comなどの比較サイトで、現在の使用量を入力してシミュレーションしましょう。年間1万円以上安くなるプランが見つかることもあります。ただし、解約金や最低利用期間がある場合があるため、契約条件を必ず確認してください。
よくあるトラブルと対処法
固定費見直しや節電行動を始めると、以下のようなトラブルが起こることがあります。事前に対処法を知っておきましょう。
プラン変更したのに電気代が下がらない
原因:変更が反映されるのは申し込みの翌々月以降です。また、切り替え月は日割り計算になるため、1ヶ月分の削減額が出ません。
対処:変更申し込みから3ヶ月後の請求書で比較しましょう。同じ月(例:前年10月と今年10月)で比較すると、季節変動の影響を除いて削減効果がわかります。
家電を買い替えたのに電気代が変わらない
原因:古い家電を処分せず併用している、または他の家電の使用時間が増えている可能性があります。また、買い替え直後は設定が出荷時のままで、省エネモードになっていない場合もあります。
対処:古い家電は速やかに処分し、新しい家電の設定を見直します。エアコンなら「AI自動運転」や「省エネモード」をオンにし、冷蔵庫なら設定温度を「中」にします。それでも下がらない場合は、スマートプラグで全体の消費電力を計測し、どこで電気を使っているか確認しましょう。
待機電力を減らしたら機器が動かなくなった
原因:一部の機器は常時通電が必要で、コンセントを抜くと設定がリセットされたり、ソフトウェア更新ができなくなったりします。Wi-Fiルーター、レコーダー、ガス給湯器(リモコン)などは注意が必要です。
対処:取扱説明書で「常時通電」や「待機電力」の項目を確認します。必要な機器は抜かず、不要な機器(使っていないゲーム機、古いプリンタなど)だけを抜くようにします。
節電したのに請求が増えた
原因:補助終了のタイミングと検針日のずれで、節電効果より補助消失の影響が大きい可能性があります。また、燃料費調整額や再エネ賦課金の変動も影響します。
対処:請求書の内訳を確認し、「使用量(kWh)」「補助額」「燃料費調整額」「再エネ賦課金」をそれぞれ前月と比較します。使用量が減っているのに請求が増えている場合は、補助消失や単価上昇が原因です。8月の電気代はなぜ高い?請求額が上がる仕組みと今できる対策で請求の仕組みを詳しく解説しています。
まとめ
- 補助は9月使用分で終了:10月使用分(11〜12月請求)からは値引きがなくなり、再エネ賦課金引き上げと合わせて月1,800円程度の負担増になります。
- 9月末までに固定費を見直す:料金プラン変更、古い家電の買い替え、待機電力削減、基本料金ゼロプランへの切り替えで、月1,500〜3,000円削減できます。
- 節電行動を習慣化する:エアコン・冷蔵庫・照明・給湯の使い方を見直し、チェックリストを実行すれば、月1,500〜2,000円削減できます。長期対策としてポータブル電源や蓄電池の導入も検討しましょう。
補助が続く今のうちに行動すれば、10月以降の電気代上昇を吸収できます。まずは料金プランの見直しから始めて、9月末までに固定費削減の目処を立てましょう。電気代1万円超えてる人が見直すべき5つのことも参考に、自分の家庭に合った対策を選んでください。

