「うちのAnkerのモバイルバッテリー、リコール対象だったかもしれない」と気になっている方も多いのではないでしょうか。2026年9月、消費者庁はAnker Japanのリコール対象モバイルバッテリーで実際に火災が発生したと相次いで公表しました。この記事では対象型番の確認手順と、回収率が55%でも安心できない理由を具体的な数字とともに整理します。
Ankerバッテリーで何が起きたのか?
消費者庁の発表によると、2026年9月にリコール中のAnkerモバイルバッテリー2機種で、回収完了前に実際の火災事故が発生しています。1件目は9月28日公表の「Anker Power Bank(10000mAh,22.5W)」型番A1257で、9月2日に兵庫県でリュックサックに入れた状態のまま発火し周辺を焼損したとされています。2件目は9月29日公表の20000mAhケーブル一体型モデル型番A1647で、こちらも火災が確認されています。
対象となる2つの型番の違いは?
A1257は10000mAh・22.5W出力のモバイルバッテリーで対象台数は約40万1771台、回収率は2026年9月24日時点で55.3%と公表されています。A1647は20000mAh・ケーブル一体型で、回収率は46.0%と、A1257よりさらに低い水準にとどまっています。どちらも本体背面にシリアルナンバーが印字されており、これを確認することで対象機かどうかが判別できます。
| 型番 | 容量・出力 | タイプ | 公表日 | 回収率(2026年9月時点) |
|---|---|---|---|---|
| A1257 | 10000mAh / 22.5W | 通常モバイルバッテリー | 9月28日公表 | 55.3% |
| A1647 | 20000mAh | ケーブル一体型 | 9月29日公表 | 46.0% |
表のとおり、どちらの型番もリコール公表から一定期間が経過してなお回収率が5〜6割にとどまっており、残りの4〜5割が未回収のまま市場に残っている計算になります。
回収率55%でも危険とはどういうことか?
回収率55.3%という数字は、裏を返せば約45%が依然として使用者の手元にあるという意味です。A1257の対象台数約40万1771台に当てはめると、仮に回収率が55.3%のまま変わらないとすると、計算上は40万1771台×(1−0.553)=約17万9591台が未回収のまま残っていることになります。これはあくまで公表された台数と回収率から算出した概算であり、実際の未回収数は時点によって変動する点に注意してください。
なぜ回収が進みにくいのか?
モバイルバッテリーは購入時のレシートや箱を保管していない人が多く、自分の手元の製品がリコール対象かどうかを意識しないまま使い続けているケースが考えられます。また、リコール対象品であっても見た目上は正常に動作していることが多いため、発火リスクに気づきにくいという事情も回収率が伸び悩む要因の一つと考えられます。
リチウムイオン電池の火災リスクは経年でどう変わるか?
リチウムイオン電池は内部短絡や製造不良があると、使用期間が長くなるほど劣化による発火リスクが相対的に高まる一般的な傾向があります。今回の火災事例のように、リコール対象品を使い続けている期間が長いほどリスクにさらされる時間も長くなるため、対象かどうかの確認は早めに行うことが重要です。
型番・シリアルナンバーの確認手順は?
対象機かどうかはAnker Japanの受付フォームでシリアルナンバーを入力して確認します。確認作業は数分で終わるため、該当しそうな製品を持っている方はすぐに実施することをおすすめします。
- 手元のモバイルバッテリー本体の背面を確認し、型番表記(A1257またはA1647など)を探します。表記が小さいため、スマートフォンのライトで照らしながら確認すると見やすくなります。
- 型番の近くに印字されているシリアルナンバー(英数字の羅列)を控えます。写真を撮っておくと入力ミスを防げます。
- アンカー・ジャパンの公式リコール受付フォームにアクセスし、型番とシリアルナンバーを入力して対象かどうかを確認します。
- 対象と判定された場合は、案内に従って直ちに使用を中止し、充電や放電を行わないようにします。
- 回収・交換の手続き方法は製品や時期によって変わる可能性があるため、最新の案内は必ずアンカー・ジャパンの公式ページで確認してください。
手順を順番どおりに進める理由は、型番だけでは対象ロットかどうかを判別できないケースがあるためです。型番とシリアルナンバーの両方を照合することで、誤って対象外品を処分したり、逆に対象品を使い続けたりするミスを防げます。なお、以前のリコール事案における型番確認の考え方はAnkerモバイルバッテリーが宿泊施設で発火|リコール品の見分け方と使用中止の手順でも解説していますので、あわせて確認すると判断の参考になります。
よくあるトラブルと対処法
リコール対応の過程では、確認作業や保管方法に関するトラブルがよく起こります。症状ごとに原因と対処をまとめました。
シリアルナンバーが読み取れない場合は?
経年劣化や摩耗で印字がかすれて読めないケースがあります。この場合は無理に判読しようとせず、購入履歴(通販サイトの注文履歴やレシート)から型番を特定し、アンカー・ジャパンのサポート窓口に直接問い合わせることで対応状況を確認できます。
対象品をどう保管すればよいか?
対象と判明した製品は、使用を中止したあとも可燃物の近くや高温になる場所(車内、直射日光の当たる棚など)での保管を避けることが望ましいとされています。回収・交換手続きが完了するまでの一時保管場所としては、金属製の容器や耐熱性のある場所を選ぶ考え方が一般的です。
家族が複数のモバイルバッテリーを持っている場合は?
家族人数分のモバイルバッテリーや乾電池を備蓄している世帯では、一つずつ型番を確認する手間がかかります。備蓄品の管理方法についてはモバイルバッテリーと乾電池の備蓄目安|家族4人分は何個必要?で整理していますので、見直しのタイミングで併せてチェックすることをおすすめします。
リコール品以外のポータブル電源でも火災事例はあるか?
ポータブル電源分野では他社製品でもリコール中に火災が確認された事例が報告されています。たとえばEcoFlow DELTA リコール中に再び火災|消費者庁が使用中止を呼びかける対象の確認方法でも同様の構図が報告されており、メーカーを問わずリコール対象品は早期確認が重要と考えられます。
これから機器を選ぶ際に注意すべき点は?
リコール歴やメーカーの対応姿勢は、新しくモバイルバッテリーやポータブル電源を選ぶ際の判断材料になります。購入前にはメーカー公式サイトでリコール情報の有無や問い合わせ窓口の対応状況を確認しておくことが望ましいといえます。
容量表記は正しく理解できているか?
モバイルバッテリー選びでは容量表記(mAh・Wh)の違いを理解しておくことも重要です。容量表記の読み方についてはWhとAhの違いとは?バッテリー容量表記を正しく読み解く基礎知識で解説していますので、買い替えを検討する際の参考にしてください。
同クラスの製品を比較する視点は?
買い替えを検討する際は、同容量クラスの製品を複数メーカーで比較すると判断材料が増えます。300Whクラスの比較例はAnkerとJackeryの小型モデル比較|300Whクラスはどっちを選ぶ?にまとめていますので、仕様書の確認項目と合わせて参考にしていただけます。
まとめ
今回の記事のポイントは次の3つです。
- 2026年9月、AnkerのA1257(回収率55.3%)とA1647(回収率46.0%)でリコール対象品の火災が実際に確認された
- 回収率55%前後でも、台数換算すると数十万台規模で未回収品が残っている計算になる
- 対象確認は本体背面の型番とシリアルナンバーをアンカー・ジャパンの受付フォームで照合するのが確実
手元にAnkerのモバイルバッテリーがある方は、今すぐ背面の型番とシリアルナンバーを確認し、対象機であれば使用を中止してアンカー・ジャパンの最新情報を公式サイトで確認することをおすすめします。

